電子ジャーナル
地域安全学会論文集 No.12 (2010.3)
投稿日:2013年8月30日
著者: | 行田 弘一 |
共著者: | ナム ホアン ニューエン,岡田 和則,滝澤 修 |
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論文概要: | 大規模災害発生時等のいわゆる非常時においてもユーザが安心して通信を行うため,既存移動通信ネットワークの代替手段として無線アドホックネットワークを利用することが期待されている. 本論文では,非常時におけるユーザ端末移動モデルとして従来のモデルより実際的なReal Cityモデルを提案し,これを用いた通信モデルについて,無線アドホックネットワークの性能をネットワークシミュレータを用いて評価した.シミュレーション結果より,ルーチングプロトコル属性値を変更すること,および通信経路形成に寄与する移動(中継)端末数を増加させることにより,ネットワーク性能が向上することが明らかとなった. |
著者: | 杉安 和也 |
共著者: | 村尾 修 |
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論文概要: | 壊滅的な状況に陥った被災地の復興事業は,数年から十数年におよぶ長期なものとなる.2004年インド洋津波被災地であるインドネシア・アチェ州のように大規模に被災した都市の復興過程をモニタリングおよび分析し,計画と実施過程とのずれを把握することは,他の都市で将来発生しうる大災害への対策と復興計画を策定する上で有意義な知見となりうる.本研究では,インドネシア・アチェ州を対象に,復興に関連する各社会基盤指標について復興曲線を構築し,インフラ種別における復興過程の違いについて分析する.さらに構築した復興曲線を復興計画の達成目標と比較するで,計画上の復興過程と実際の復興過程の差異について考察する. |
著者: | 稲垣 景子 |
共著者: | 佐土原 聡 |
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論文概要: | 本研究は,ライフイフライン途絶時も自律的に機能する拠点区域の構築を目指し,その構想段階において,都市を概観し,候補地選定の基本計画策定に資する地域分類手法を提案することを目的とする.まず,横浜市域を対象に,防災拠点とされる公共的施設を業務担当範囲別に整理した.さらに,各地区の活動量(対策重要性)と,拠点区域を構成しうる建築ストックを示す指標として「エネルギー需要量」を用い,各地区の現状を把握し,公共的施設が立地する地区のエネルギー需要特性から,各地区で導入可能な拠点構築手法を示した.特に熱負荷密度の大きい地区を対象に,各エリアの機能と周辺施設との連携効果を整理し,防災面での有用性を例示した. |
著者: | 青田 良介 |
共著者: | 室崎 益輝,北後 明彦 |
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論文概要: | 復興にあたっては過去の教訓だけでなく地域性にも配慮する必要があり、地方分権や公民連携を推進するのが重要である。そのための方策として、阪神・淡路大震災と中越大震災の事例から災害復興基金と中間支援組織の役割について考察した。復興基金は地方自治体が公金で支出しにくい事業のための財源として創設されたもので、分析の結果、地方の裁量により自助や共助を支援するとともに、地域性を反映した事業を展開する上で有用な方策であるのがわかった。また、中間支援組織は地方自治体と被災者をつなぐ公民連携の役割のあることがわかった。復興基金と中間支援組織が連動することで、地域主導による災害復興をより推進できるものと考えられる。 |
著者: | 古屋 貴司 |
共著者: | 井ノ口 宗成,田村 圭子,浦川 豪,林 春男 |
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論文概要: | 本稿は2007年新潟県中越沖地震の柏崎市応急仮設住宅入居者を対象に,入居申請の状況から配分結果および入居期間において,従前の住まいからの地理的移動・空間分布に主眼を置いた実態を明らかにし,過去の震災の教訓を規範とした理想的かつ効果的な対応がなされているかどうかについて,距離関係と入居者属性の定量的・定性的な分析を行うことで,今後の効果的な応急仮設住宅対応業務のあり方について指針を見出すものである |
著者: | 照本 清峰 |
共著者: | 鈴木 進吾,紅谷 昇平 |
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論文概要: | 本研究では、東海・東南海・南海地震は時間差をおいて発生する可能性のあることを考慮し、東海・東南海地震の発生から南海地震の発生に至る期間に焦点をあてて議論する。また発生時間差間に生じる課題の中でも特に経済損失の問題に着目し、災害の脅威が長期的に連続するが故に生じる損失について検討することを目的とする。はじめに、時間差発生によって生じる経済損失の問題の特性を示し、次に災害の脅威が長期的に連続した近年の事例を概観する。また、現状の東海・東南海・南海地震の危険性にさらされている地域の総生産額を示し、これらをもとに損失額を試算することにより問題の大きさを検討した。 |
著者: | 豊田 安由美 |
共著者: | 庄司 学 |
論文タイトル: | ライフライン事業者が想定する地震時応急復旧活動シナリオ及びそ相互連関のモデル化の試み-首都直下地震を想定した場合の事例分析― |
論文概要: | 本研究では,ライフライン事業者の防災業務計画及び地震対策マニュアルを基に作成されたシナリオを有向グラフでモデル化し,その相互依存関係の解明を試みた.その際には,各復旧活動項目をノード,項目間のやりとりをリンクとして示し,関連度・影響度及び最短経路として選択された回数を指標として各ノード及びリンクの特性を定量的に評価した.さらに,応急復旧活動の相互連関を情報,ヒト,モノのやりとりの視点から規定した. |
著者: | 牧 紀男 |
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論文概要: | 災害対策基本法の制定過程の分析、災害対策・体制の日米比較結果を踏まえ21紀前半の巨大災害に備えた災害対策基本法を中心とする日本の災害対策のあり方について検討を行い以下の結果を得た。 1) 災害対策基本法は1)災害対策の総合化、2)災害対策の計画化、3)巨大災害への対処という3つの目標を持っていたが、目標は完全には実現されなかった。 2)日米の災害対策とも、現在、マルチハザード・総合防災の時代となっている。 3)被害抑止対策の総合化について課題が残されている。 4)数値目標を持つ「防災戦略」が策定されるようになっている。 5)巨大災害時には国が直接対応できるような仕組みについて検討を行う必要がある。 |
著者: | 井ノ口 宗成 |
共著者: | 田村 圭子,林 春男 |
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論文概要: | 我が国では,災害が発生すると被災市町村より被災者へ様々な支援が提供される.2007年新潟県中越沖地震の際には,柏崎市において被災者基本台帳を用い,情報管理の視点から被災者支援の合理化が実現された.しかし,運用においての標準化はなされておらず,様々な課題が発生し,担当者による個別解決がなされてきた.本研究では,2004年新潟県中越地震,2007年能登半島地震,2007年新潟県中越沖地震の各被災市町村における実務担当者へ個別インタビュー調査および合同インタビュー調査を実施し,課題の明確化と解決策の検討を行なった.なかでも,被災者確定業務における課題が顕著であり,実経験に基づいた被災者確定業務のあり方について検討する. |
著者: | 太田 和良 |
共著者: | |
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論文概要: | 防災に関する研修方法の一つとして,災害エスノグラフィを活用した人材育成手法が提案され,行政の防災担当者の研修として活用されている.本手法は討論型図上演習に整理されるが,その目的や効果は未だ十分に検証されているとは言い難く,適用事例を重ねることが必要である.本論文では,討論型図上演習として災害エスノグラフィの効果に期待するところを整理するとともに,消防職員の初任者研修において災害エスノグラフィを活用した事例を紹介する.本事例では,特にイメージ(想像)力の向上及び関係機関との連携の強化を目的としており,研修の成果やアンケート結果からその効果が確認された. |
著者: | 吉川 忠寛 |
共著者: | 中林 一樹,笠松 浩一,金中 夏海,豊田 雄一郎 |
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論文概要: | 本論文では、BCPの必要性と策定・導入への課題を考察するため、まず、市町村版業務継続計画(市町村BCP)の必要性を整理し、その策定手順をモデル的に構築した。 次に、このモデルを検証するために、阪神・淡路大震災や中越地震の被災自治体における業務継続の実態を調査し、地域や自治体(必要資源)への被害の程度によって、業務の優先度や対応速度に相違が出ることを明らかにした。 その策定手順を実際のケーススタディを通じて検証し、今後の策定・導入のための課題を提示した。その結果、BCPの策定過程を通じた様々な創発的協議の機会が重要であり、その結果としての「業務のつながり」や「組織のつながり」の重要性を指摘した。 |