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地域安全学会の20年

 

ご挨拶

地域安全学会会長(第 11代) 翠川 三郎

 1986 年に地域安全学会が設立されて以来 20 年が経ちました。本学会は、「誰もが安心を感じることのできる地域社会の形成」を目標に掲げ、自然科学のみならず人文科学も含めた多方面の研究者、技術者、実務家の参加を求めて、設立されたものです。20 年前に掲げられたこの目標は 21世紀の今まさに求められている社会的な課題であり、初代会長伊藤滋先生を始めとする設立メンバーの先見の明の高さに今更ながら敬服しているところです。

 設立当初は 100名弱だった学会員も 2002年には 500名を越え、同年 6月には日本学術会議に学術団体として登録されました。現在の学会員は約 700 名となっています。本学会の特色は自然科学のみならず人文科学もカバーした幅の広さにあります。私自身、強震動や被害の予測手法について研究していましたが、本学会での活動を通じて、様々な研究や研究者の方々とふれあい、研究の成果をいかに地域防災に還元するかについて勉強させていただき、それを実現するための研究に方向転換しつつあります。

 本学会のもうひとつの特色として若い会員の積極的な参加があげられます。本学会においての研究成果発表の中心的な場である査読論文の発表会では、半分以上が博士号を目指す大学院生や新進気鋭の研究者で占められ、新たな展開を目指す萌芽的な研究から実社会における実践的な研究まで幅広い研究が発表されています。また、学会に設置された各種の調査・研究委員会でも、経験豊かな会員に混じって若い会員が積極的に活動しています。

 このような若い力も利用しながら学会として地域の安全に資する学術的・実践的活動をさらに深め、「誰もが安心を感じることのできる地域社会の形成」に今後とも貢献していきたいと考えております。今後とも、従来にもまして関係各位のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

 


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