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地域安全学会論文集No.16 (電子ジャーナル論文) 2012.3

No1
著者:

佐々木 雄希

共著者:

岸本 達也

論文タイトル:

不審者事案発生と都市空間特性の関係について-埼玉県草加市を対象として-

論文概要:

犯罪認知件数は減少傾向にあるが、多くの人々は治安に対する不安を感じている。特に、子どもを狙った犯罪に対する不安を感じている。本研究の目的は、不審者事案の発生と都市空間特性の関係をカーネル密度推定法やスペースシンタックス理論を用いて明らかにすることである。得られた結果は主に以下の2点である。1)ホットスポットは年次経過とともに変動している。2)不審者事案は、中心性の高い道路及び学校の近くで起こりやすい。都市空間における犯罪発生の傾向を知るためには、複数年のデータを用いた比較分析が重要であるといえる。


No2
著者:

臼井 真人

共著者:

畑山 満則,福山 薫

論文タイトル:

地域コミュニティでの情報システムを用いた安否確認に関する研究

論文概要:

本研究では,災害時の住民による共助活動支援のため,情報システムを用いた迅速な安否確認作業を実現することを目的とする.そこで,災害時の安否確認について必要な情報や機能について既存の情報や先行研究の調査・検討を行った.また,安否確認作業の定着化のために地域行事で同様な情報システムを普段から利用することを提案した. 最後に防災訓練の推移から,平常時から災害訓練までの活動を通した仕組みの実証と成果を検討した.その結果,普段からの安否確認と同様の活動が,災害時に住民による安否確認が実施できる環境を構築できたことを確認した.


No3
著者:

丸山 喜久

共著者:

伏岡 里志,山崎 文雄

論文タイトル:

東京都地域危険度測定調査における地盤増幅率の再評価

論文概要:

本研究では,地震ハザードステーション(J-SHIS)と東京ガスのリアルタイム地震防災システムSUPREMEに搭載されている広域地盤データ,およびSUPREMEによって観測された高密度な地震記録(SI値)を用いて,東京都地域危険度測定調査で用いられる地盤増幅率の再評価を行った.


No4
著者:

水野 智雄

共著者:

宮島 昌克

論文タイトル:

アンケート調査に基づく密集市街地における木造住宅の耐震化による防災性向上に関する研究

論文概要:

耐震改修促進法が2006年に改正され、補助制度が実施されてきた。 しかし、1981年に施行された新耐震基準を満たさない住宅が、将来にわたり多く残る恐れがある。そこで、石川県内の建設会社及び金沢市在住の一般市民を対象とした二つのアンケート調査を実施した。その結果、建設会社は、簡易な耐震改修方法には、あまり賛成せず、また、耐震補強に関する宣伝はあまり実施されていないこと、さらには、市民は行政が推奨する上部構造評点より高い性能を求めていることがわかった。地区の外から資力のある転入者を増加させることなど、従前とは異なる対策が必要である。